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2021/01/18 14:17
本オンライン店舗で商品をご購入下さり、また千葉商科大学人間社会学部齊藤ゼミの学生たちによるインタビューに快く回答下さったお客様に心より御礼申し上げます。お客様からのお声にお答えしたく、エザワフルーツランド園主 江澤貞雄より、感謝とともに商品づくりにかける想いとこだわりをお伝え致します。
◆農薬を使わない「ど根性栽培」の価値
『週刊新潮』2020年3月26日号に、「実は「農薬大国」ニッポン―中国超えで世界一に」と題した日本での農薬使用量に関する記事が掲載されていました。同記事では、ある県での一作あたり農薬散布回数がイチゴで63回、茄子で59回、キュウリで56回、トマトで54回、梨で34回に上ることを紹介しています。一方、エザワフルーツランドを含む木更津市観光ブルーベリー園協議会が取り組む「ど根性栽培」は、農薬を使わず、ブルーベリーひと株あたりお椀いっぱいの菜種油かすを年一回施すのみです。「ど根性栽培」の安全・安心という価値が明確だと思います。
一般的に行われているブルーベリー栽培方法と異なり、「ど根性栽培」はピートモス(土壌改良材)も使いません。ピートモスとともに使用するのが常識とされている、化成肥料も使いません。もともと大地にはリン酸加里も含まれているので、窒素を含む油かすを使用するだけなのです。
千葉商科大学の市川キャンパス内にも2020年2月中旬、エザワフルーツランドから贈った苗木5本を「ど根性栽培」方式で植えました。かつてピッチング練習場だったというキャンパス内圃場では、苗木を植えるために掘った穴から20cm大の石がゴロゴロと出てきて、決して豊かな土壌ではなかったですし、その後新型コロナウイルス感染性の拡大によりキャンパス入構および圃場の手入れができなかった期間もあり、苗木にとっては厳しい環境でしたが、写真1の通りしっかりと根を張り、枝数も増えていきました。農薬も化成肥料も、そして水やりもしなくても、苗木は水を求めて圃場の土にしっかり根を張り、まさに「ど根性」で育ったことが分かるわけです。

これらの苗木に今後、芯喰い虫がつくこともあるかもしれません。それでも農薬を使う必要はありません。たとえ虫がついた枝が枯れたとしても、脇から次の枝がどんどん出てくるため問題ないのです。

このように農薬を使わず苗木の強さを引き出す「ど根性栽培」は、ブルーベリーを食して下さるお客様の健康に良いだけではなく、農家の健康被害も生み出さない、消費者にも生産者にもやさしい栽培方法なのです。木更津市観光ブルーベリー園協議会メンバーには、障害を持っている人が働ける場所づくりとしてブルーベリー栽培を行う「農福連携」の試みを進めている農園もあります。作業者にやさしいことは、こうした「農福連携」においても重視される価値となっています。
◆「まぜものを使わない」という商品づくりへのこだわり
本オンライン店舗でこれまでに商品を購入下さったお客様のほとんどが「ど根性栽培飲む果実(フルーツ)酢」(200ml入り瓶1本あたり1,700円)を購入下さいました。この商品は2つの大きなこだわりをもって作っています。
本品のビンの裏に貼付されたシールの「原材料名」をご覧いただきますと、「ブルーベリー(千葉県木更津市産)、ブルーベリー酢、粗糖」とのみ記載されていることにお気づきだと思います。本欄には使用した原材料および添加物につき重量順に表示することが義務づけられていますから、すなわち「ど根性栽培飲む果実(フルーツ)酢」は香料や甘味料などまぜものを一切使わず、ブルーベリーと粗糖だけで作っていることをお伝えするものとなっています。
また本品に使用するブルーベリーは、アントシアニン含有量の多い限定品種を使っております(その品種名は企業秘密ですが・・・)。エザワフルーツランドで栽培しているブルーベリーは、全品種につき、そのアントシアニン含有量を木更津工業高等専門学校にて検査していただきました。その検査結果における上位品種のみを使うというこだわりの商品なのです。なお現在、アントシアニンをより多く含む品種の開発も進めています。今後、こだわりが詰まったより質の高い商品をお届けしてまいりたいと思います。
2021年7月からの摘み取りシーズンには、ぜひエザワフルーツランドにお越しになり、安全安心のブルーベリーをお腹いっぱい召し上がって下さい。時間制限のない食べ放題(1,000円/人)で、さまざまな品種のブルーベリーを食べ比べてみて下さい。お気に入りの品種を見つけることも楽しいと思います。山を切り開いた日当たりのよい敷地内には、小舟に水を張って作ったビオトープ、イベントスペースと休憩所、ジャムを手作りできる小屋もあり、ご家族で1日中楽しんで頂けます。
景観づくりにも力を入れています。園内にはハイキングができるコースもあり、桜、こぶし、ヤマボウシ、もみじとブルーベリーの紅葉など、夏の摘み取りシーズン以外にも豊かな自然を満喫頂けます。
太陽をたっぷり浴びて甘く大粒になったブルーベリーとともに、みなさまのお越しを心よりお待ちしています。
聞き手・文章:齊藤紀子(千葉商科大学人間社会学部)